十五の石の物語
「ちょっと待っててくれよ~
確か、このあたりに……」
男は引き出しの中をごそごそと探りまわす。
男は、物の始末が悪くてどこに何があるのかわかっていない様子であちこちを探りまくる。
眼鏡がみつかるまでの間、行儀が悪いとは思いながらも、私は部屋のあちこちを手持ちぶさたに見回していた。
(あっ!!)
私は帽子かけの下に落ちているものに目をつけた。
ジャケットの下敷きになっていたものは、思い描いていた通りの帽子だった。
コルドベスのようなつばの広い帽子だ。
少し皺になっていたが、たいしたことはない。
これだけのつばがあれば、顔が見えにくく、日差しも遮られると思えた。
「あ、あの…!」
「あった!あった!」
私がそのことを言い出そうとした時、ちょうど黒眼鏡がみつかったらしく、男が手に黒眼鏡を持って声を上げた。
「あの…厚かましいついでに、この帽子も譲っていただけないでしょうか?」
「なんだよ、それならもっと良いやつが…」
「いえ!これが良いんです!」
「……そうかい。……なら、それを持っていきなよ。」
「本当に助かりました。感謝します。」
「良いってことよ。
別に俺にはどうしても必要なもんじゃないし、使ってもらえたら嬉しいよ。
あ、そうだ。今、お茶煎れるから……」
そう言って男は部屋を出て行き、しばらくすると、ワゴンにお茶の用意を乗せて戻ってきた。
確か、このあたりに……」
男は引き出しの中をごそごそと探りまわす。
男は、物の始末が悪くてどこに何があるのかわかっていない様子であちこちを探りまくる。
眼鏡がみつかるまでの間、行儀が悪いとは思いながらも、私は部屋のあちこちを手持ちぶさたに見回していた。
(あっ!!)
私は帽子かけの下に落ちているものに目をつけた。
ジャケットの下敷きになっていたものは、思い描いていた通りの帽子だった。
コルドベスのようなつばの広い帽子だ。
少し皺になっていたが、たいしたことはない。
これだけのつばがあれば、顔が見えにくく、日差しも遮られると思えた。
「あ、あの…!」
「あった!あった!」
私がそのことを言い出そうとした時、ちょうど黒眼鏡がみつかったらしく、男が手に黒眼鏡を持って声を上げた。
「あの…厚かましいついでに、この帽子も譲っていただけないでしょうか?」
「なんだよ、それならもっと良いやつが…」
「いえ!これが良いんです!」
「……そうかい。……なら、それを持っていきなよ。」
「本当に助かりました。感謝します。」
「良いってことよ。
別に俺にはどうしても必要なもんじゃないし、使ってもらえたら嬉しいよ。
あ、そうだ。今、お茶煎れるから……」
そう言って男は部屋を出て行き、しばらくすると、ワゴンにお茶の用意を乗せて戻ってきた。