十五の石の物語
「…私もサリーの言う通りだと思う…
君のお母上はお父上のことを心底愛し、だからこそ君を授かった…
髪の色や種族の違い等、何の意味も持たない…
そのことをお仲間達に証明したかったのかもしれない。
君はご両親の愛の証であり、誇りであり、そして太陽だったのだ。
君がたとえ怪物のような容姿であったとしても、おそらくそれは少しも違わなかっただろう…」

「レヴさん…」

ヴェールは瞳を潤ませ、私をじっとみつめた。





「じゃ、その森へ行けば、キャストライトが手に入るってことだね!
ヴェール、良かったじゃないか!」

「……いいえ、そのことならもう良いのです。」

「もう良い?
君はお父上の最後の言葉を忘れたのか?
キャストライトを探せとは…それは、すなわち森の民に会いに行けということではなかったのだろうか?
一人ぼっちで暗い森の中で一生を終えてはいけない!
君には仲間もいるのだということを伝えたかったのではないか…?!」

「……そうなのかもしれません…しかし…森の民はこんな私を受け入れてくれるでしょうか…?
私は完全な森の民だとは言えないのですよ。」

彼の心の傷は、私が想うよりもずっと深いものなのだ。
それを急に忘れろというのも無理な話だ。



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