十五の石の物語
「あ……」

「何?どうしたの?」

「彼の名前をまだ聞いていなかった…」

「あ、本当だ!
レヴって、いつもどこか抜けてるよね!」

そう言ってサリーはケラケラと大きな口を開けて笑う。



(……この娘と来たら、本当に…)

サリーの笑いに私が機嫌を悪くしていると、男が部屋に戻って来た。



「何か食べない?」

「良いね!何かある?」

「たいしたものは作れないけど材料ならある…君も作るの手伝ってくれるか?」

「いいよ!
あ、あたしはサリーって言うんだ」

「そうかい。
俺はジャン」

「やっとわかった!」

サリーは、私の方に思わせ振りな視線を送りながら微笑んだ。



「わかったって……何が?」

「あんたの名前。」

「あ、そういえば、まだ言ってなかったっけ?」

「そうだよ。
あの銀色の髪のお兄さんが聞くのを忘れてたからね。
あ、あのお兄さんは…」

「レヴさんだね?」

サリーが話すのを待たず、ジャンが先に答えた。



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