TWO WISH〜もしも願いが2つ叶うなら…〜
「俺がアリサを殺したんだ…。」


『そんなコトない…。』



必死に我慢していた感情が一気に込み上げてくる。



チカは寒さではない震えで揺れる唇を強く噛み締めた。




「君に何が分かる…。」



チカの言葉を跳ね除ける様に強い口調で声を張り上げた。



今までとは違うケンを前に動揺が隠せない。




「俺が中途半端なコトをしたから…。無責任なコトを言ったから…。アリサを追い詰めたんだ…。」


『そんなコトない…。ケン君は悪くない…。』




ケンはコートのポケットに手を入れ、メイクブラシを取り出した。
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