TWO WISH〜もしも願いが2つ叶うなら…〜
ゆっくりと車椅子を押し、池に架かる七井橋の中央で立ち止まる。




「今日は楽しかったか?」



ケンは屈んで視線を合わせる。




「うん!最高だった!」


「そうか…。なら良かった…。」



その口元は何かを必死に堪える様に唇を噛み締めていた。



「あれは俺からのプレゼント…。見てみな。」



ケンは立ち上がり、自分の背中で隠していたモノを手で差す。



その先には手を伸ばせば届きそうなほど大きく真ん丸なオレンジの夕日が浮かんでいた。




「わぁ…。キレイな夕日…。病室から見る夕日とは全く違う。こんなにキレイなモノが外の世界には溢れているんだね…。」
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