TWO WISH〜もしも願いが2つ叶うなら…〜
その日の晩…。



メイク用具の手入れを終えたケンは店に1人、佇んでいた。



険しい表情で右手を見つめる…。




『くそ…。くそ…。どうして…。どうして俺の右手は動かねぇんだ…。どうしてなんだ…。』



近くにあったナイフを手に取り、右手の甲を強く切り付けた。



赤黒い血が溢れ出し、床を染める。




『ちくしょう…。何で痛くねぇんだ…。どうして何も感じねぇんだ…。ちくしょう…。こんなに血が流れているのに…。どうして…。』



ケンは涙を流しながら崩れ落ちた。




辛い現実に涙が止まらない…。



悲し過ぎる恐怖で震えが止まらない…。
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