TWO WISH〜もしも願いが2つ叶うなら…〜
「これ使って…。」


おばぁさんはタオルを差し出した。



『ありがとう。』


「ホットコーヒーでいい?」


『いぇ…。大丈夫です。』


「日本人は本当に遠慮がちね。ここはニューヨークよ。遠慮はナシ!」


『えぇ…。それでは遠慮なく頂きます。』



そぅ言うとおばぁさんは奥の部屋へ入っていった。



その間、店内に置いてあるものを見ていた。



店の隅に置かれた大きめの段ボール…。



その中には誰かが作った造花…。



まるで子供が遊び感覚で作った様な雑なデキの造花…。



これはネリネの花…?



おばぁあさんが作ったのかな…?





壁を見上げるとショーケースに置いてあるものより何倍も大きな絵…。



誰かに似てる様な…。



誰だろう?





机の上にはメイク道具…。



見たコトもないメイク道具が沢山あった。




そして、コルクボードに貼られた沢山の写真…。




その中で1枚の写真に吸い込まれた…。



それは可愛らしいメイクをしている白人の少女…。



写真の中の彼女は今までに見たコトないくらいの素敵な“笑顔”をしていた…。



ホントに嬉しそうな可愛らしい“笑顔”…。
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