お兄さんと【完】
「ん?どうしたの?」


「あ、なんでもない。」


「行こう、稀那ちゃん。」


「うん。」


お兄さんの方に向き直って、数歩進んだとき。


......ん?


「あ、のっ!!今なんてっ。」


私が顔を赤らめてるのはわかってる。


でも、聞き返さずにはいられなかった。


その聞き慣れない呼ばれ方に。


「稀那ちゃん。」
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