お兄さんと【完】
初めて星くんと出かけたときも、数週間前に出かけたときも、私が星くんを待つことはなかったから、今日ぐらいは早く来てみた。
実は異様に朝早く目覚めちゃったうえに、ドキドキして家にいても落ち着かなかっただけなんだけどね。
駅前のベンチに座って星くんがくるのを待つ。
「うー、さっむい。」
膝の上においた紙袋を抱えて縮こまる。
勝手に私が早く来たんだけど、星くん早くこないかなー。
自分なりに頑張って包装したゼリーの袋を見ると、なぜか顔が緩む。
星くんはこれを見てなんて言うかな。
喜んでくれるかな。