お兄さんと【完】

「プレゼント...ですか?いや、まだないですけど。」


だってまだ渡してないもん。


そう思って膝の上に置いたゼリーの入った紙袋に視線を落とす。


そんな私の行動を見ていたふみかさんは、ベンチに座ったままの私の目線に合わせるようにしゃがみこんだ。


「これ、星くんにあげるんだ?」


「は、い。」


なぜかとてつもなく照れた。


顔が無意味に火照る。


「ふーん。」


冷たい返事に我に返った私。
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