お兄さんと【完】
「見せてよ。」
その言葉に促されて、紙袋を丁寧に開ける。
ものすごく重い。
気が重い。
本当は恥ずかしいもん。
かずちゃんみたいにいろんなお菓子が作れるわけでもないし、なにか一工夫あるわけでもない私のゼリー。
家族やかずちゃん、こっちゃんにあげるのだって、ものすごく緊張して不安な気持ちでいっぱいだったのに。
開けた紙袋の口から、目の前にいる人たちが顔を覗き込ませてくる。
き、気まずい。