お兄さんと【完】
「稀那ちゃん。これなーんだっ?」
意味の分からない質問に、思わず星くんのほうに振り返る。
そこにはニコニコと笑いながら紙袋を持つ星くんがいた。
その紙袋にはものすごく見覚えがあった。
だってそれは私が頑張って包装したゼリーの入ってたはずの紙袋だから。
「...えぇっ!?」
私が奇麗に包装したのもわからないくらいに、くたびれちゃってるけど間違いない。
「な、なんで星くんが持ってるの!!」
それはふみかさんと一緒にいた男の人たちに渡したはずなのに!