お兄さんと【完】

「じゃ、ごゆっくりー。」


小町さんが厨房に戻ると、星くんがテーブル越しに顔を近づけてきた。


えっ!?


なにごとっ?


「耳貸して。」


「耳?」


言われるままにテーブルの上に身を乗り出して星くんに耳を向ける。


「小町さん地獄耳だから、こうやって話さないと聞こえちゃうんだ。」


そういうことか。


理由が分かっても、顔と顔の距離が近すぎてちょっとだけ心臓が騒がしい。
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