お兄さんと【完】
「あ、ちなみにこれはノンアルコールだから心配いらないわよ。どんどん飲んじゃって。」
あれ?
私、思考顔に出てたかな?
「じゃぁ、ごゆっくりー。」
都さんと小町さんが厨房に戻っていく。
静かになったテーブル。
私はとにかく目の前にある可愛いケーキに目が釘付けだった。
「稀那ちゃん。ちょっとだけ待っててくれる?先にケーキ食べてていいからさ。」
「え?うん。」
厨房の中に声をかけにいった星くんの後ろ姿を見送るけど、先にケーキに手は出さなかった。
せっかくだし、一緒に食べたいもん。