お兄さんと【完】

歩いていた足を止めて、急に私の方に振り返った星くん。


「俺は、振られてないってこと?」


真っ直ぐ私を見てくる星くんと目を合わせたままそらせなくなる。


そのまま首を縦に振ってみせた。


「ってことは、俺はまだ返事をもらってないってことだよね?」


星くんは向き合う私に1歩歩み寄って聞いてきた。


私の鼓動は高鳴るばかり。


それでも、静かに話す星くんから目を離さなかった。


私はまた頷くことしか出来なかったけど、それでも星くんはちゃんと私と向き合っててくれる。


「じゃぁさ。もう一度、聞いてもいい?」
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