お兄さんと【完】
もう1歩私に歩み寄った星くんは、本当に近くて。
背の高い星くんを見上げながらも、私の心臓はよく耐えてる。
緊張でか、寒さでか、ちょっと震えてる私の手を握ってきた星くんに驚きながらも、私は声を絞り出した。
「うん。」
私の短い返事に微笑んでくれた星くんは、私の手を一層強く握ってきた。
「稀那ちゃんが好きだよ。俺の彼女になってくれますか?」
星くんの口から聞くのが2回目だからか、言われる覚悟をしていたからか、前よりちゃんと星くんの言葉を聞いて、すんなり受け入れられた。
今度は私が星くんの手を握り返す。
ちゃんと答えなきゃ。
こんなにも真っ直ぐに私と向き合ってくれてる星くんに。