お兄さんと【完】
「星くん、どこ行くの?」


「んー。このまま車戻って、それからは...。ちょっとドライブでもする?」


夕方までそんなにたくさん時間あるわけじゃないけど、私は星くんが一緒にいたいって言ってくれただけでいいの。


「うんっ。」


星くんを見上げて素直に返事を返すと、星くんは握っていた手に力を込めてきた。


ぎゅうっと握られた手から、星くんの愛を感じる。


...なんて、そんなこといっちょまえに言うには、まだ早い、かな?


でもそんな些細で、私にしかわからない行動がすごくうれしかったの。


だから私も握り返す。
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