お兄さんと【完】
公園の駐車場までのんびり歩いて、車に乗り込む。


行き先もないまま走り出した車内は、相変わらず星くんがなにげない話題を私に振ってくれる。


そんな心地のいい時間はあっという間に過ぎていく。


私も星くんも時計を気にする。


どうかまだ、夕方にならないで...。


まだ一緒に居たいから。


その願いも虚しく、進み続ける時間。


4時半の時刻を刻んだとき、星くんのたわいもない話は、私をドキドキさせる話へと変わった。


「明日さ、何も用事なければ会わない?」


あ、会いたいっ!


「今日はあんまり時間取れなかったし、明日会えるならどこか行こうよ。」
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