お兄さんと【完】
見覚えのある駐車場で車が停車された。


そこは星くんの通う大学の駐車場。


大学に用事があるのかな?


「じゃ、行こうか。」


そういって星くんが車から降りる姿を見て、慌てて私も車を降りて星くんに歩み寄る。


自然に繋がれた手に戸惑いながらも、しっかり星くんの手を握り返す私。


前だったらきっと一人であたふたしてただろうけど、星くんの1つ1つの言動に素直に嬉しいって思えるようになって、私はちょっとだけ成長出来たのかも。


大学の校門とは逆に進む星くんに導かれて、小さなお店に入った。


「いらっしゃいませー。」
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