お兄さんと【完】

「星が俺のことシカトすんだけどっ!てか、彼女にゾッコンすぎて、俺のこともしや見えてない感じ?」


秀さんが嘆く言葉に耳も貸さずに私にメニューを見せてくれる星くん。


もはや私のが聞いてるの恥ずかしくなってきた...。


そんな大きな声で彼女とかゾッコンとか言わないでー!


「俺はいつもこのティーセットで、本日のおすすめケーキを食べるんだ。稀那ちゃんはなにが食べたい?」


「あ、えっと。私も同じのがいいかな。」


「じゃぁいつものティーセット2つお願いします。」


「ちょっとちょっと!星は俺の話聞いてよー。」


キッチンから出てきた秀さんの顔に、星くんはメニューを突き出す。


「店員さんはちゃんと仕事してくださーい。」
< 263 / 374 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop