お兄さんと【完】

「駐車場でちょっと休ませるから、初詣は２人で行ってきなよ。」


星くんの提案にかずちゃんとこっちゃんは曇った顔。


「えーっ、いいよ。私たちもここにいるから。」


そんなのは申し訳ないよ！！


「ううん！私は大丈夫だから。３人で初詣行ってきて！」


私は１人でも休めるから、３人にはちゃんと楽しんできてほしい。


「お互い気を遣っててもしょうがないでしょ。」


ばっさりとそう言い放ったのはこっちゃんだった。


「かずはうちと初詣行って、きなこの分までお参りしてこよう。悪いけど、きなこにはお兄さんについててもらってさ。それでもいいですか？」


男前なこっちゃんは星くんに真っ直ぐ視線を向ける。


「いいよ。迷子とスリにだけ気をつけていっておいで。」