お兄さんと【完】

「ごめんね、きなこちゃん。こっちゃんとお守り買ってくるから、待ってて。お兄ちゃんよろしくね?」


「うん。いってらっしゃい。」


あーあ。


結局星くんまで巻き込んじゃったじゃん。


かずちゃんとこっちゃんの後ろ姿を見送りながら、となりにいる星くんに罪悪感が残る。


「星くんも初詣行ってきていいよ?私は一人でも大丈夫だから。」


「いいの。稀那ちゃんと二人になれたことだしね。」


そう言ってくれるのは嬉しいんだけど、どうせなら4人でお参りしたかったな。


「わっ!」


小さくも思わず声が出ちゃったのは、駐車場までの道のりを戻ろうと星くんがそっと私の手を取って歩き始めたから。


混雑で2人並んで歩けないかわりに、人ごみをかき分けて進む星くんの背中にピッタリくっついて進んで行く。


「琴音ちゃんってさ、洞察力とかすごそうだね。」


「こっちゃん?」


大通りから小道に入って、やっと星くんと並んで歩けるようになったとき。


いきなりの話に私は全然ついていけない。
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