お兄さんと【完】
ガラッ!!
息を切らせて走ってきた生徒が勢いよく開けたドアは思っていた以上に大きな音を響かせた。
そこは誰もが静かなときを過ごす図書室。
昼休みの当番であろう図書委員2人と、テーブルに座って本を読む数人の生徒が一斉に私の方へと視線を向ける。
「あの。図書室では静かにしてください。」
静まりきった図書室に、図書委員の人の声が響く。
「す、すみませんでしたっ!」
我に返った私が頭を深々と下げると、聞き覚えのある声がした。
「きなこ...ちゃん?」
バッと頭を上げると、本棚の中からかずちゃんが出てきた。
やっと
やっと見つけたっ!!