お兄さんと【完】

「星くん!?」
「お兄ちゃん!?」


私とかずちゃんがほぼ同時に声を上げた。


「かずさの兄ちゃんってモテんじゃん。あのクッキーとかカップケーキとかもみんな女からの貰いもんだろ?そこらへんの女がきなこに嫉妬でもしてんじゃない?」


「...あ。」


思わず声を漏らしたのは私。


星くんにお菓子をあげてた製菓女子大学の女の人が頭に浮かんだから。


なんの確信もないのに人を疑うのはよくないけど、そう言えばクリスマスのときに私が作った手作りゼリーにも結構キツい言葉をもらったような記憶がある。


記憶をさかのぼってた私が意識を元に戻すと、そこには私の顔を覗き込むかずちゃんとこっちゃんの姿。


「誰か思い当たる人がいたんでしょ。」


「きなこー、犯人は誰だぁー?」
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