お兄さんと【完】

「よし、思い当たる人がいるなら直接会って話聞くだけだな。」


「えぇっ!!」


本人に聞くってそんなこと出来るわけないよ!


だってこの話はただの私の憶測でしかないんだし、そこまで親しくもないのに急に会いに行って、『私たちに嫌がらせしてたのはあなたですか』なんて失礼なこと聞けないもん。


「そこまでしなくてもいいんじゃない?もう私たち3人の仲は元に戻ったわけだしさ!」


「なに言ってんだよ。このまま引き下がるなんてうちは無理!ちゃんとはっきりさせないと、また繰り返されるかもしれないじゃん。」


いやぁ、声かけてきた女の人に睨み効かせちゃったこっちゃんにはもうなにもしてこなさそうだけど...。


と、思ったことは口に出さないでおこう。


「私もこのままは嫌だよ。今後嫌がらせがエスカレートしてきなこちゃんに大きな被害が出る前にちゃんとはっきりさせておかないと!それにやられっぱなしなのは悔しいからね!!」


こっちゃんと同じように珍しく勢いのあるかずちゃん。


そんな2人に私は何も言い返せなかった。
< 314 / 374 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop