お兄さんと【完】
「そうだよね。それにこのなかから1人の人探すのって結構大変じゃない?」
同感だよ、かずちゃん。
だってここは女子大だよ?
共学ならまだ半数に絞り込めるけど、ここは全員女の人だもん。
無理無理。
「だからさ、諦めて帰ろうよ?ほら、もう夕方だし、授業終わって帰ってるかもしれないじゃん。」
私が必死に帰ることを促しても、聞く耳を持たずに校門からなかを覗く2人。
絶対不審に思われてるって!!
「あれー?星の彼女はっけーん!!」
この聞き覚えのある声。
そしてこのしゃべり方。
声のした方に振り向くと、ものすごい勢いで走ってくる男性の姿。
「わぁっ!秀さん!?」