お兄さんと【完】

「あんとき周りにいた女子大の人たちがみんな『あれ星くんの彼女?』『えー?まさかー』とか『妹じゃないの?』とか言ってたの聞いてた?」


私そんなこと言われてたんだ...。


「ううん。全然気づかなかったょ?」


「あはっ。それもきなこらしいな。気にしてないならいいんだ。忘れて。」


「うん。」


...?


結局なんでこっちゃんがこの話題を私に振ってきたの?


黙っちゃったこっちゃんに視線を向けていたら、その視線に気づいてくれたこっちゃんは話を続けてくれた。


「ん?あぁ。この前みんなでケーキ屋行ったときに見てて思ったんだけどさ、なんだかんだきなこが幸せそうでよかったよ。」


「幸せそ、う?」


「うん。うちさー、中学のときに部活の先輩と結構無理に背伸びして付き合ってたんだよ。」


背伸びして付き合うって...どういうこと?
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