お兄さんと【完】
頭の上にいっぱい?マークを並べていたら、こっちゃんがちゃんと話を続けてくれた。
「生徒会とか入ってて同級生はもちろん、先生とか他学年の生徒からも人気がある先輩でさ。同じ陸上部で同じ遠距離やっててさ、だんだん気が合うようになって付き合い始めたんだけど、周りからの目が痛くてさー。」
中学生のときの恋バナをしてくれるのはいいけど、なんか本当に聞いちゃっていいのかな?
そう思っちゃうくらい、話をするこっちゃんの顔は曇っていた。
「うちは今も昔も勉強はさっぱり出来ないしさ、部活にすごく力注いでたけど、それ以外のことは結構どうでもいいって思ってた。だから周りからは遊びで先輩と付き合ってるとか、先輩とは釣り合わないとか言われまくってさ。」
こっちゃんの表情が曇ってた原因が少しずつわかってきた。
これは初々しい初恋話だけじゃない。
初めて恋して初めて味わった苦しみも含んでいる話なんだ。