お兄さんと【完】
「全然知らない人にも嫌み言われるし、周りの友達にも歓迎されない。先生とかも先輩にうちが悪影響を及ぼすんじゃないかって目を見張ってたしさ。そのくらいみんなに頼られてたすごい先輩だったんだよ。」


「うん。」


内心本当にすごい先輩だったんだなぁーって感心してたんだけど、今は心落ち着かせてこっちゃんの話をジッと聞く。


「そんな状況を先輩は全然気にしてなかったんだけど、うちがどうしても気になっちゃってさ。先輩はうちにとって憧れの存在だったから、確かに先輩の隣に私なんかがいていいのかなって思うようになった。」


「それからは柄にもなく勉強必死に頑張ったり、委員会活動に積極的になったりしたんだけど、何をするのにもうちと先輩の2人の姿が他人にはどう映ってるのかばっかり気になってちゃってさ。」



「気づいたときには、先輩の考えてることとか、私が最初に先輩に抱いてた恋心もどっか吹っ飛んでた。」


え...


「先輩がさ『琴音は俺と一緒にいると俺の好きな琴音じゃなくなってく』だってさ。変に頑張りすぎた結果がこれだよ。」
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