お兄さんと【完】
そこから...いい方向にはすすまなかったの?
そのまま別れちゃったの?
「だからさー、例え相手のためにとか言ったって自分らしくいるのが一番だってこと。きなこにはちょっと前にも言ったけどさ、例え相手が年上でも人気者でもきなこはきなこらしくいればいいんだよ。相手は背伸びしてない等身大のきなこのことを好きになってくれたんだろうからさ。」
「う、ん。そうだね。」
こっちゃんなりに私のこと心配してくれてたんだ。
「こっちゃんは今でもその先輩が好き...なの?」
「え?」
「あ、えっと...。勘違いだったらごめんっ!」
私なんてこと口走ってるんだろう。
だって浮かない顔して話すこっちゃんが、時々先輩を思い出したようにフッって優しい顔になるから...。
「今日のきなこは珍しく勘が鋭いねー。明日は雪でも降るんじゃない?」
冗談まで言って笑うけど、私はそんな冗談なんて頭に入ってこなかった。