お兄さんと【完】

「ねぇきなこちゃん。お兄ちゃんもかっこいい?」


「えっ!?」


試合に向けていたはずの視線は、気づいたときにはかずちゃんの方を見ていた。


かずちゃんからの質問に驚きすぎて思いっきりかずちゃんのほうに振り返っちゃったんだもん。


そりゃぁ星くんはすごくかっこいいと思うよ。


かずちゃんも奇麗だし、あー兄妹なんだなってちょっと思ったりするもん。


「なんかさ。親友と自分のお兄ちゃんが付き合ってるのって不思議な感じだよね。」


「あ!う、ん。ごめん。」


「えっ?そんな、謝らなくていいんだよ!お兄ちゃんだって嬉しそうだし、きなこちゃんだって幸せなんでしょ?」


「うんっ!」


思わず即答しちゃった...。


恥ずかしいっ。


星くんも嬉しそうだってかずちゃんの言葉で聞くと、私まで嬉しくなっちゃったから。
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