お兄さんと【完】

「素敵な関係だね。」


「全然そんなことないよ?だって好きなとこは見た目だけで全然中身を見てくれないんだもん。」


あ、そっか。


それは嫌だな。


そもそも私はそんなに可愛くもないし、美人ともほど遠いからそういう付き合いとは縁ないけど、やっぱり付き合うんだったらちゃんと向き合いたいもんね。


「付き合ってれば相手の嫌な部分って2つや3つ見えてくるもんじゃない?でもそれはお互い様なわけで、本当に直してほしいところは話し合って努力すればいいと思う。どちらか片方が相手を全面的に変えちゃったりするのってやっぱり違うじゃん?」


「うん。」


「昔付き合ってた人でさ、いたんだよ。お互いかっこいい・かわいいって思って付き合ってみたら、性格がイメージと違うって散々文句言う人。あと元カノと比べて『あいつはこうだったのにー』とか言う人。もう最低じゃん!」


話ながらかずちゃんは怒りを思い出したみたいで拳を握ってブンブンと振り回す。


終いには「思い出しただけでも腹が立つっ!」と一言。
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