お兄さんと【完】

そう言ってニヤッと意味深な笑顔を向ける先を見ると、そこには星くんがいた。


ちょっとムッとした顔を向けて、私を後ろからギュッと抱きしめてきた。


「ち、ちょっ!せ、いくん!?」


秀くんも秀くんのお母さんもいるのにっ!!


「あれあれ、王子様を怒らしちゃったかねー?」


「いつのまに秀と稀那ちゃんはこんなに仲良くなったわけ?」


えっと...。


いわゆる焼きもちってやつかな?


星くんみたいな大人でも焼きもち焼いたりするんだなぁ。


「まぁそうカリカリなさんなって。今日の主役は星なんだからさっ。」


「あ、ちょっと、秀くん!まだそれは内緒ですっ。」


思わずペロッと話す秀くんに私までつられて言ってしまった...。
< 361 / 374 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop