お兄さんと【完】
そう言ってニヤッと意味深な笑顔を向ける先を見ると、そこには星くんがいた。
ちょっとムッとした顔を向けて、私を後ろからギュッと抱きしめてきた。
「ち、ちょっ!せ、いくん!?」
秀くんも秀くんのお母さんもいるのにっ!!
「あれあれ、王子様を怒らしちゃったかねー?」
「いつのまに秀と稀那ちゃんはこんなに仲良くなったわけ?」
えっと...。
いわゆる焼きもちってやつかな?
星くんみたいな大人でも焼きもち焼いたりするんだなぁ。
「まぁそうカリカリなさんなって。今日の主役は星なんだからさっ。」
「あ、ちょっと、秀くん!まだそれは内緒ですっ。」
思わずペロッと話す秀くんに私までつられて言ってしまった...。