お兄さんと【完】
「稀那ちゃん、一緒に吹き消さない?」
「えっ!?」
「ほらいいからっ。はい、3・2・1!」
秀くんの声に急かされて、私と星くんは2人でロウソクを吹き消した。
っていうか、なんで私まで?
「ハッピーバースデー!!」
パンッという音にビクッと身体を震わせると、秀くんが3つくらいクラッカーを持って同時発射。
...えっ!?
私の分のクラッカーは?
っていうより、ロウソク消して、クラッカーの紙吹雪まで浴びて、なんだか星くんと私が誕生日みたいになっちゃってるじゃん!!
「え?えっ?」
おどおどしてたら颯爽と秀くんのお母さんがケーキにナイフを入れる。
「切り分けちゃうわねー。ちなみにこれはホワイトチョコレートのムースケーキよ。中にはオレンジのムースとレモンのスポンジが入ってるからさっぱり食べられると思うわ。」