お兄さんと【完】
「あ、あのっ!」
もうなんて言っていいのやらっ。
なんにも言葉が出てこない。
「嫌だった?」
言葉は出せずとも、星くんの質問に首を必死に横に振る。
嫌だなんて、そんなことあるはずないよ。
だって、星くんのこと好きだもん。
むしろ嬉しすぎるよ。
思わず潤んできた私の瞳を見て、星くんが私の頭をポンポンと優しく撫でてくれる。
心地いい。
一緒にいてこんなにも心臓がドキドキするのに、全然嫌なドキドキ感じゃないの。
心地よすぎて、ずっと味わっていたいくらい。