お兄さんと【完】
「兄はもう帰ってくるみたいなので、このまま家に帰って大丈夫です。すみませんでした。」


「大丈夫だよ。家まで送るから、道案内よろしくね。」


お兄さんが車を走らせる。


私は家までの道のりを案内した。


帰宅ラッシュにかかったせいで、家に着くのはお兄ちゃんからのメールが届いた時間から20分を過ぎていた。


「犬小屋のある3件目の家です。」


自分の家を指し示したのに、家にはまだ明かりがついていない。


あの遅刻魔っ!


まだ帰ってきてないじゃんかー!!


心の中でそう思っていたのに、お兄さんにあっさりばれる。


「まだ誰も帰ってきてないみたいだね?」
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