お兄さんと【完】

ひとり慌てふためく私は一気に眠気から覚めた。


ふとケータイの向こうから聞こえる笑い声にハッとする。


あれ?私誰と話してんだろう?


『テスト勉強進んでるかと思って電話したんだけど、その分じゃ全然進んでないみたいだね。』


笑いまじりに話すその声が明らかに男性の声なのはわかる。


でもケータイ画面には登録された名前じゃなくて、ただケータイ番号が表示されてるだけ。


しかも私に連絡してくる男性なんて思い当たる節がない。


この人誰ぇ!?


「あのー。すみません、どちらさまですか?」


意を決して聞いてみた。
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