お兄さんと【完】
「映画行く前にちょっと大学に寄らせてもらえる?ちょっと提出しなきゃいけないものあってさ。」


「はい。」


お兄さんの通う大学に向かう車内。


ついつい沈黙になりがちな空気に、お兄さんは気を遣っていろいろと話しかけてくれた。


なんの映画を見るのかを相談している間に大学に到着。


お兄さんがシートベルトを外して後部座席に置かれたファイルを取って外に出た。


私は見慣れない大学の様子をキョロキョロと車内から見ていた。


「きなこちゃんも降りるでしょ?」


「えっ!?あ、はい。」


車内でお兄さんのことを待つ気でいたのに、促されてついて行くことにした。
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