お兄さんと【完】
すっかり私の口数も少なくなってしまった頃、お兄さんは行く先も告げずに車を発進させた。


しばらく走ってから、いろいろと今の状況を考え始めた私。


なんだかマイナス思考まっしぐらな私は、この車の行く先がラブホテルだったらどうしようとか考えて、ひとりで焦っていた。


ちゃんと冷静に考えれば、かずちゃんのお兄さんだもん、そんな展開には間違ってもなるはずないのにね。


大通りを走り続けていた車は、とあるコーヒーショップの駐車場で停止した。


そこは以前、お兄さんに家まで送ってもらったときにも立ち寄ったコーヒーショップ。


「ちょっとだけお茶していこうよ。」


「はい。」


2人でコーヒーショップに入ると、レジの前のメニューを見て悩むお兄さん。
< 83 / 374 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop