お兄さんと【完】
ピンポーン


お兄さんが出てきたら、なんて挨拶しよう。


お兄さんがいても、私とお兄さんの関係を知らないかずちゃんの前では、普通に接しなきゃいけないよね?


「はいはーい。いらっしゃーい!」


私の不安なんて必要なかったみたいで、出迎えてくれたのはかずちゃんだった。


「おじゃましまーす。」


それでもまだお兄さんが家の中にいるかもしれないと思って、意識して家に声をかけてみた。


「今日は誰もいないから、パーティーで大はしゃぎできるよ!」


「そう、なんだ?」


ちょっと拍子抜け。


やっと自分がお兄さんに対して身構えてたって自覚した。
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