心友の彼氏にキスをした

「え、えっと、先程はすみません。緊張のあまり・・つい…」

と、私は頭を下げ、改めて自己紹介をした。

「改めて、はじめまして。アメリカのマ○チュー○ッツ工科大学からきました。花京 織羽です。どうぞよろしくお願いします」

「聴いての通りだ。花京はアメリカの大学を卒業しここに来た」



「なんでわざわざ。ここに」
「大学卒業?しかもアメリカ?」
「日本になんで?しかも高校だろ?」
「授業受ける意味なさそー」

と、まぁ、ごもっともだけど…大体は予想していた通りの反応だ。

悪いなーと申し訳なさそうな顔する能田に私はいえいえと
苦笑した。

予想していた通りの反応だから仕方がない。

だから、きっぱりと告げた。

「確かに皆さんが言ってる通りです。ですが、私は皆さんが経験しているものを経験したことがありません。それはなんだかわかりますか?」

と問いかける。

皆は分からないって顔をする。

「…、私は小学校や中学校には行ったことがありません。行ったことと言えば大学くらいです。大学では同年代はおろか、年下はいませんでした。周りは年上ばかりで友達とも呼べる人はいませんでした。研究ばかりやっていた私は功績や学者たちからの信頼や期待ばかり受けてきました。裏事情を言っちゃうとあれなんですけど。
 
同年代の人たちと一緒に学んでみたいと。友達を作ってみたいと。修学旅行にも憧れてるんです。普通の高校生活を楽しんでみたいと思ったから。だから私はこの高校に来ました。」

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