紺色夜話
“アプローチ”という言葉に焦っている銀子の横で、そんな事とも知らずに勝平と志郎は呑気に話しています。




「栄治と電話してたらここに来るって言うから、銀子さんが居るかちょっと確かめてもらおうと……」




「お前なぁ、それなら俺に電話しろよ」




「電話切ってすぐ、そう思ったんですよ……。
 で、心配で駆け付けたら案の定……」




二人の会話を聞いていた栄治は
「ひっでぇなぁ、俺の事どんな風に思ってんだよ」
と文句を言います。




「そんな風にだよっ、あっ銀子さんのそっち側にも座んなよなっ、嫌がらせかよ」




恨めしげに言いながらも勝平とは反対側の銀子の隣に座ろうとした栄治を、勝平は阻止します。
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