紺色夜話
「! 骨折!? なっ……銀子さんに何て事をっ」




2年前だし後遺症もないからもう大丈夫なのに、勝平は心配そうに銀子を見ます。




少し涙ぐんでもいます。




勝平は今まで家族にさえ、こんなに心配した事はありませんでした。




真治をキッと睨みつけると
「何で骨折なんかさせたんだよ」
と抑えた怒りが、より迫力のある言い方になります。




「っ……、俺の打ったホームランが……月森さんの乗っていた自転車に当たって……、皆の弁当ごと川の土手に……」




真治は顔を背けて辛そうに言いました。
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