パワーストーン ストーリー ローズクォーツ
 
 このストーリーの始まりは、ちょうど二週間前の金曜日午後。

 「いらっしゃいませ」

 アイは、いつものように控え目に声をかけ、椅子に腰かけたままブレスレットを組み続ける。

その時店に入ってきたのは、女子大生風の二人ずれだった。

 アイのパワーストーンショップは、各駅停車しか停まらない私鉄の小さな駅前にある、こじんまりとした2坪程度のスペースのお店だ。

パワーストーンの置物類がそれなりに陳列されているが、このお店の売れ筋は特製の、オリジナルのプレスレットだ。

 何が特製かといえば、アイの持っているヒーリングパワーを、お客さんの要望に合わせて注ぎ込んでいるところだろう。

その効果も、それなりにあるようで、口コミで噂が広がり、最近では一日がかりで地方からわざわざオリジナルブレスレットをオーダーに来るお客さんも多い。


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