パワーストーン ストーリー ローズクォーツ
 「パワーストーンってさ、ホントにご利益あるのかなぁ~?」

 バイトに向かう電車の中で、ミサキが云った。

 「どうなんだろうね…、でもさ、石ってキレイで吸い込まれるような感じで、見てるとあっという間に時間がたちゃったよね」
 

 「石も欲しいけどね、そろそろ私、彼氏も欲しい感じ…」

 ミサキが、ぽつりとつぶやいた。

 「だったら、さっきのお店で、あのローズクォーツを買えばよかったじゃん?」

 サヨは、横目でミサキをちらっと見て笑った。


「だって、あんなちっちゃいのじゃ、ちょっとパワー不足ぽかったからね、それに、私が欲しい!と思ったのは、5000円の特製のブレスレットだったんだもん…」
 
 「そうそう、私もあれは欲しいと思ったけど、あれに手を出すには、ちょっと勇気がいるね!」

 サヨが、何度も肯いた。

 「でもさ、ミサキ、気になってる相手とかいるわけ?」

 「いや、いないこともないような…」

 「何よぉ~、ミサキったら、もったいぶっちゃって、なんなのそれ?」
 


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