[龍の国]セミテの少女
王宮のとある一室。
灯りのないその部屋に佇む影が一つ。それは何かを待つ様に微動だにしなかった。
どれ程の刻が過ぎたのか……
「……様」
部屋にはいつの間にかもう一つの影が現れ、部屋に佇む影へと声を掛ける。
背後から突然に掛けられた声に驚く様子もなく、部屋に佇んでいた影は振り返った。
「北塔で行われた会議ですが……」
振り返った影の前に膝をつき報告を始めるもう一つの影。
話から察するに北塔の窓で月明かりに照らされていた者であろうか?
低いがよく通る声で塔で行われた会議の内容をつぶさに語り終えると頭(コウベ)を垂れ控える。
報告を受けた影は暫しの後、控えし者に労いの言葉と共にある命を下した。
数刻後、簡素な旅装束の二人が馬に乗り宵闇に紛れ、何処(イズコ)かへと消えていった。
灯りのないその部屋に佇む影が一つ。それは何かを待つ様に微動だにしなかった。
どれ程の刻が過ぎたのか……
「……様」
部屋にはいつの間にかもう一つの影が現れ、部屋に佇む影へと声を掛ける。
背後から突然に掛けられた声に驚く様子もなく、部屋に佇んでいた影は振り返った。
「北塔で行われた会議ですが……」
振り返った影の前に膝をつき報告を始めるもう一つの影。
話から察するに北塔の窓で月明かりに照らされていた者であろうか?
低いがよく通る声で塔で行われた会議の内容をつぶさに語り終えると頭(コウベ)を垂れ控える。
報告を受けた影は暫しの後、控えし者に労いの言葉と共にある命を下した。
数刻後、簡素な旅装束の二人が馬に乗り宵闇に紛れ、何処(イズコ)かへと消えていった。