NANON
少女が虐待にあっていたのを見つけたのはイツキだ。
そして彼女を保護したのは叔父。
その後、両親は自ら警察に出頭し、彼女は叔父の家に引き取られることと
なった。
引き取られてからしばらくはイツキがずっと面倒を見てくれた。
食事もお風呂も、寝るのだって常にイツキがそばにいた。

それから数年が経ち、少女は一人暮らしを始めることにした。
いつまでも叔父の家に頼りきりの生活だと、さすがに気が重いからだ。
生活費は両親が不思議と残して置いてくれてたので、困ることはなかった。

だが、彼女もまだ未成年なので、今でも叔父に頼りきりなのは変わらないのだが…。


そして今日は高校の入学式。
叔父が忙しい時はよくこうしてイツキが保護者代わりになってくれる。
少女にとっては有難いのだが、
相変わらずの過保護っぷりだ。

少女の高校は自宅からはそんなに遠くない。
歩いて行ける距離だ。
なのにわざわざ車で一緒に行くあたり、彼女をいつも子ども扱いする。
少女にとってはそれが悩みのタネだった。
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