NANON
メール受信から10分後、
玄関のインターホンがなった。

「おーい!迎えにきたぞ。」

ガチャッ…

「おまえ、ちゃんと言いつけ通り鍵とチェーン付けてるんだな。
えらいえらい!」

そう言ってイツキは少女の頭をぐりぐりと撫で回した。

少女は少し訝しげにイツキの手を払ってイツキを見た。
それを怒っていると捉えたイツキは笑いながら、

「ごめんごめん。そんなに怒るなよ。ほいじゃ、行こうか。
その制服、すげぇ似合ってる。かわいい!
もうこんなに大きくなったんだな…。
昔はあんなに小さかったのに……。」

と、少ししんみりした口調で言った。

(悪い虫がつかないといいけど…)


「?」

「いや、なんでもない!ま、まぁとりあえず行こうか。」

こうして、二人は出発した。
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