bitter×bitter


「ぷは……っ……一弥…なにすんのよ……!」


ようやく離れた唇。



むかついたあたしは、一弥の顔を叩いてやろうと思ったけど………やめた。


やめるしかなかった。


一弥があまりにも悲しそうな顔してるから。



「な…んでこんなこと…するわけ?」


「……………なよ……」


「え?」


「行くなよ…美麗……あいつとじゃなくて…俺といろよ………」



一弥の顔は、泣きそうだった。



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