10センチメートル☆ロマンス




「なんだか佐伯張り切ってるねぇ〜」


 ニヤリと口角をあげ私を見てくる。


 ……悪代官みたいに。




「ん〜〜、佐伯くんお祭り騒ぎ好きそうだもんねぇ?」



 今もクラスの男の子とふざけながらノコギリ片手に騒いでる。


 佐伯くんはクラスの中心人物で、一年生の時から目立ってた。

 顔も整ってるし、明るい髪に茶色い大きい目。身長は普通だけど、とにかく爽やかで、後輩からもモテてるみたい。




「……可哀想に……眼中無しですか」



 早紀ちゃんが呟いたのを私は全く気付かずに、佐伯くん達に目を向けてた。




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